おひるねの神話

超いいかげんに更新します。姉妹ブログに『雨ふりふり』『お天気ぶらぶら』があります

夕立

中京区は御池のあたり、市役所から少し西、夏の午後5時50分。

サーという音とともに雨が降り始めた。はじめは小雨、しだいに豪雨、そしてカミナリがゴロゴロ。若い女性の集団がきゃあきゃあ言いながら銀行のエントランスやビルの合間の駐輪場、天から死角になっている場所へと走る。背広姿の男たちは何やら笑いながらコンビニの隣にあるやよい軒の軒下へ。大通りでは土の匂い。鳩に加えて渡り鳥のいる季節だからなおさら並木の下にフンが貯まって炎天下で乾燥、無臭になっていたそれが雨を吸って再び臭いはじめる。

やがてコンビニの店員さんが傘を出して売り始めると、腕やカバンで頭を隠す数人がそちらへ向かう。外にあるもの殆どすべてが濡れてびしゃびしゃ。低空飛行するつばめが低木にぶつかってよろける。バスから降ろされた修学旅行生が大声で呼ばれて集合場所へと駆けて行く。遠くの方ではサイレンが聞こえる。

ひととおり一帯を騒がせた後、傘を買った1人がコンビニから出てきたところで夕立は止んで隣の街へ。日暮れの雨は世間に明るさを戻さずにそのまま蒸し暑い熱帯夜をもたらした。


のべらっくすさんの企画に参加させてもらいます。短いのでこちらのブログに。毎年のことですけど奈良とか大阪に比べて京都ほんま蒸し暑いです。

追記(2015/07/23)

id:masarin-m なんていうんだろう。語り口がいいです。描写では、フンのところがいいですね。再び匂ってくるという嗅覚に訴えるところは、こういうのも使えるなと思いました。今後是非マネさせてください。2015/07/16

 ちょっと汚いのも良いかなと思いまして、ははは